10~15年前のアニメの視聴環境や放送状況について色々語るだけです。北海道のみならず、非大都市圏全般のアニメ事情について触れているのでサムネ詐欺です。すみません。 ### 2015夏アニメの番組表を「再現」してみる 今からちょうど「10年前」にあたる、2015夏アニメの番組表を、Wikipediaの各作品の記事や作品公式サイト、過去の番組表などを辿りながら作りました。関東地上波版とBS版をそれぞれ作っています。 2015夏アニメ放送作品一覧・関東地上波版 ※拡大してご覧ください 2015夏アニメ放送作品一覧・BS版 ※拡大してご覧ください 時間が確保できなかったため、朝~夕方は省略しています、ご了承ください。また、単発放送(TVスペシャル)なども全て記載していません。再放送をはじめ、継続作品については反映しきれてないかもしれないです。 番組表上では「アニメ」として扱われる声優・アニソンアーティスト番組はすべて省いています。 本表を作ってまず感じたのが、全盛期である2016~2018年と比べ若干少ないが、それでも多いことと、関東地上波とBSの同時放送がほぼ皆無であること、そしてBSの勢力図が現在と全く異なる点だろうか。 本数については年単位でグラフ化した記事があるので紹介。実は2023年よりも、2015年の方が多いのは個人的にも意外と感じている点である。 そして地方民の視点で見ると、関東地上波とBSの同時放送が現在とは異なり、ほぼ皆無という点も気になる。逆に当時の同時放送はアニプレ枠4本とワーナー関与のGATE1期第1クールのみとなっており、それ以外の同日時差放送を含めても両手で数える程度で、他は1日以上の時差があるという有様。このクールの話ではないが、作品により6日遅れというケースもあった。いわば、関東民と地方民でまるっきり違うスケジュールでアニメを見ていたということになる。 ただし、BS11をはじめBS各局の努力により、それまで大都市圏でしか見られなかった深夜帯作品が全国で見られるようになっただけでも、当時は進歩だったのであることは考慮に入れておきたい。 BSに目を向けても、現在とは全く異なる勢力図が敷かれていた点も興味深い。まず当時はBS11の1強という構図で、自社系列(TBS/MBS)アニメを数本放送するBS-TBSがそれに追随。そして一部のMXアニメを、BSフジ(アニメギルド枠)が拾うといった構図だった。逆に現在こそ一大勢力を築いているBS日テレは、自社系列のみをカバーしている状況だった。 ちなみにこの頃の土曜のBS-TBSは4本を集中的に放送する体制だったが、この内前半は当時BS11のアニプレ枠と競合していた。後のクールにおいて、個人的にはどちらも見たいという事例が頻発することになったので、今はこの状況が解消して良かったのかなと思う。隔話で実況するタイトルを切り替えたりして対応していたクールもありましたかね? なお、TBS/MBS系アニメは2020年代に入りBS11でBS放送することが多くなり、自局のBS部門であるBS-TBSは深夜アニメの放送枠を縮小している。 一方の地上波はどうだろうか。 テレ朝系列は当時、深夜アニメの常設枠を設置しておらず(テレ朝「NUMAimation」や朝日放送「ANiMAZING!!!」は最近できた枠)、このクールに限らず2017秋「ユーリ!!! on ICE」が放送されるまで深夜アニメ自体の放送が無かった。当時はアニメ系のランキング番組をやるにも最新アニメの映像が使えず、国民的アニメで擦るしかなく炎上するのがお約束だった。 フジ「ノイタミナ」は一時2枠だった時代があったが、この前のクールから1枠になった(これは劇場アニメに注力することになったのが一因)。「+Ultra」などが設置されるのはしばらく後の話(後述)。 TBS/MBSについては、テレ東に次いで深夜枠に力を入れており、特に後者は夕方アニメにも力を入れている(一時夕方枠が消滅していた時期がありましたが)。逆に前者については、最近になり深夜枠が2枠から1枠に縮小する事態に。自社のBSではなくBS11に枠を譲るようになるなど、こちらもここ10年で環境が激変している。 テレ東については後述するようにBSジャパン(現:BSテレ東)がBS放送に消極的だったこともあり、系列局頼みとなっていた。系列局の無い地域については…まあ言わずもがな。 放送時間の観点でも、BS11では当時平日休日問わず27時台に放送枠を設けていた。現在この枠は消滅しており、最遅で25時半台となっている。 特に金曜の23時枠では後に「メイドインアビス」や「はるかなレシーブ」など良作~名作クラスの作品をOAした枠だったので、筆者も当時は27時まで目をこすりながら夜更かしをしていた記憶…。社会人なら絶対無理でしたねw ### 地方民の鬼門「テレ東アニメ」と、改善された「ノイタミナ」 上記のように、2010年代半ばになってようやく改善の兆しを見せたアニメ界だったが、それでも地方に厳しい枠というのがあった。テレ東枠全般と、フジテレビ「ノイタミナ」がそれにあたる。 テレ東については、そもそもネットワークが6局(テレビ北海道、テレビ東京、テレビ愛知、テレビ大阪、テレビせとうち、TVQ九州放送)しかなく、さらにテレビ北海道の場合は、かつて狭小な放送エリアだった影響で道東地域などで見れない時期が続いていた(現在は改善)。 一方でテレ東は大手民放で全日帯・深夜帯を問わずアニメの放送に力を入れており、アニメ放送自体が深夜帯に動きつつある現在においても全日帯の作品・放送枠を確保している唯一の大手民放である。筆者も昔はアニポケなど、テレ東アニメを見て育ちました(当時は当たり前のように感じていたが、これは決して当たり前の事ではない)。 のんのんびより りぴーと(2期、2015年夏放送)の放送情報。 のんのんびより のんすとっぷ(3期、2021年冬放送)の放送情報。 BSテレ東が1日遅れながらOAし、地方民を救済。 現在こそBSテレ東が積極的に自社作品のBS放送を行っているが、5年くらい前まではそれさえも消極的だった(AT-Xを傘下に収めているのが影響らしい)ため、「テレ東系列外ではTV視聴不可」、さらには「テレ東系列局があるのに見れない」といったケースが頻発していた。 例えば上記の番組表では、「のんのんびより りぴーと」(2期)が東名阪(および熊本)以外では地上波放送しておらず、北海道や福岡をはじめ他地域においてTVでの視聴手段が無かった。田舎を舞台にしているアニメなのに田舎で見れないという矛盾。後に放送された3期ではBSも放送し、改善されている。 そのため、当時の地方オタク達がリアタイ視聴するためには、テレ東アニメを確実に配信するニコ生での生配信が生命線となっていた(2015年は既にdアニメ等があったが、サブスク系が本格化する少し前)。しかしニコ生といえば、一般会員におけるサーバー負荷対策のための入場制限があり、プレミアム会員への入会が事実上必須。これは後年の「リゼロ」1期や「けもフレ」1期においても同様だった。筆者は本来の用途(ニコ動)のためでしたが、加入していました。 ちなみに昔のニコ生はアニメ放送に連動したラジオや声優番組も展開しており、今でいうAbemaに近い役割を果たしていた。 以上のように現在こそ改善されているテレ東系アニメではあるが、かつては系列局を持つ北海道ですら鬼門と感じるレベルに厳しい事情を抱えていた。まあ系列局を持たない地域では今でも厳しいようですが…。 大手民放系におけるもう1つの鬼門である、フジテレビ「ノイタミナ」は最近になり全国同時放送が実現したが、それまではフジのみが最速放送で、その他系列局は各自で放送してねという体制が採られていた。 …で、この体制が災いして、系列局でも放送に消極的な局が少なからずあり、中にはUHB(北海道文化放送)もその一つに数えられていた。これはUHBがレギュラーネット局でなかったが故であり、数日遅れで放送することもあれば、約1週間遅れもあり、さらには本放送クールにおいて放送なし(多くの場合1クール遅れ)で放送するというケースすらあった。 さらにノイタミナの場合、かつてAmazonプライム独占配信という体制が採られており、(アマプラは本来の用途通販で加入している方もいるため比較的マシな方ではあるが)場合により視聴手段が断たれるということもあった。 そんなこともあり、筆者は現在に至るまでノイタミナという枠を嫌悪している。面白い作品も少なからずあるんですけどね。 ちなみに2018年に新設された「+Ultra」はノイタミナ以上に地方に厳しいが、こちらは逆にUHBでは枠開設以来、全作品を放送中(他局ではフジの他、関西テレビと東海テレビのみ。今春に入りレギュラーネットから外されたらしいが)。同じフジのアニメ枠で処遇がこれだけ違う理由は、番組枠の方向性や局の方針とかが絡んでいるのだろうか…? 他、鬼門に近い存在として日テレの深夜帯作品もこれに該当する。BS日テレで放送されるケースが多いものの、やはり日数遅れ放送が多く、さらには放送自体がされないというケースも出ている模様。 そもそも日テレの場合は「平日25時以降」という視聴ハードルの高い時間帯が多く、作品を拡散する上での障壁となっている。 例えば2021冬放送「ワンダーエッグ・プライオリティ」は重いストーリーと圧倒的な作画で話題になったが、放送時間(日テレは毎週火曜で放送時間がバラバラ。次いで早かった札幌テレビに至っては同日の26時半!)やネット体制、そして最終回の放送時期の関係で、話題になり逃したタイトル…と個人的には考えている。まあ最終回の展開がアレだったけど。 ### 筆者が「1か月遅れ」の『キルミー』を見ていた話 深夜アニメという概念を知った作品であり、それは今のオタクキャリアにも影響を与えている。 ※画像は第13話(最終回)の予告 Twitterなどで再三語ってはいるものの、筆者が人生で初めて見た深夜アニメは「キルミーベイベー」(2012冬放送)である。16年近い前のことである。当時は高校受験が終わったくらいの頃で、土曜の深夜に夜更かしして、毎週リアタイしていたのは、良い思い出である。 で、Wikipediaの方で放送情報を確認すると(公式サイトでは「放送終了」の記述のみ)、なんとBSでは1ヶ月遅れで放送されていたという。当時ネットで情報とか一切仕入れていなかったので驚きであるし、当然ネタバレも一切喰らうことは無かった。 ただこれ、BS-TBSの仕様によるものらしく、前枠だった「アイマス」も、後枠だった「あっちこっち」も、この体制だったらしい。その後2015年頃になると数日遅れに大幅に短縮しているが、一体何があったのだろうか(知っている方いたらコメントお願いします)。