8ビットパソコンマニアの友人Mがいきなり土曜日の夜に家に来て「今からウチに来てボスを倒してほしい」と懇願された。何のことやらわからない。 クルマの中で彼が言うには発売すぐに「イース」というゲームを買ってダダハマりしてずっとプレイしていたがラスボスに何度挑んでも倒せないという。 「もう君に頼るしかない…」 疲れ切った顔でそう言うM。目が死んでおる…。 仕方ない。 ## スーパーゲーマー(自称)の俺の出番というわけか。 そしてM宅に着くと付けたままのパソコン&モニターが。データをロードすると画面にはラスボスのダルク・ファクトが登場。 Mは倒し方を説明しながらプレイ。当たると足場がなくなっていくので考えて攻撃しないと詰んでしまう。そして精魂尽きた声で言う。 「俺には無理や。。。頼む…」 お前はベジータか。 そして渡されたジョイスティック。 私は それ を見て 愕然 とした…。 みなさんはかつてファミコン黎明期に発売された ## 【ファミリーキング】 というジョイスティックをご存知だろうか…。 ちょっとこれを見てほしい。 正にこれと瓜二つのジョイスティックが誇らしげに鎮座しているではないか。。。 「もっと違うのはないんか…」後半かすれ声で言うのがやっとだったが「これしかない」と言われてしまう。ファミリーキングは高校時代に同級生とかなりネタにしたジョイスティックで卒業記念文集の寄せ書きにまで書かれた伝説の クソ ジョイスティックだった。発売元のスピタル産業という名前も如何わしい大人の製品を売ってそうな名前だったのでよく「スピタル産業に就職しろ」などと言い合ったものだった(失礼(ドカヴァキ だからなんでアスキースティックみたいなゲーセン仕様を買わないのかと小一時間問い詰めたくなる衝動 に駆られながらもグッと気持ちを落ち着かせた。熱くなると勝てないことを理解している常勝勝者の理論である(ドカ そういえば当時、伝説のゲーム映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦」でも似たようなやつを持たされて不憫に思ったがゲーセン育ちの自分には罰ゲームにしか思えないタイプだった。 愚痴っても仕方ない。スーパーゲーマー(自称)の名においてクリアしてみせる。 そして全く知らないゲーム「イース」のラスボスのダルク・ファクトとの闘いが始まった。 操作(ジョイスティック)が極悪ではあるものの段々と要領を得て惜しいプレイが増えていく。連続攻撃出来るのが分かればこっちのもの。そして意外と早くクリア。 ## おおおおおおお!! 狂喜するM。モニタに映される知らないゲームのエンディング。 その後、雑誌でよく大々的に「イース」を絶賛する記事を目にした。やはりちゃんと最初からプレイしたいと思った。 翌年、X68000を購入するも「イース」は移植されていなかった。 ファミコンやマークIIIに移植はされたが「ハイドライド」のトラウマから買わず、オリジナル準拠のものが遊びたかった。 後にX68に念願のファルコムが参入したが発売されたのは「イースIII」だけだった。 遊びたいのはそれとちゃうねん!? と思いながらもプレイしクリアはした。個人的には「イースIII」はPC8801mkIISR版としてはよく出来た横スクロールのアクションゲームだと思っていたもののアーケードクラスのゲームが普通に動いてしまうX68では普通のアクションゲームと元々思っていたしプレイしても予想を超える感動はなかった。 そして1991年、 遂にイース1がX68000に移植される というビッグニュースが飛び込んできた。オリジナルであるPC88版発売から実に4年経っていたが やっとイースがプレイできる! と狂喜した。ありがとう電波新聞&マイコンソフト。 ## が。 賢明なみなさん知っての通り。X68000版「イース」は コレジャナイ を具現化したリアル感満載の 別物 であった。 もはや違和感しか感じないままクリアしたが「イース」に必要な要素が完全に削除された移植作品(多分)だった。。。 そうして諦めていた頃、パソコン通信を初めてPDSを眺めていたら「98っぽいイース」という題名でアップされているファイルを発見。これが勝手に移植された「True-Ys」と言われるものだった。 M宅で訳も分からずラスボスを倒して 5年以上 が経っていた。念願のオリジナル準拠のプレイ。取説がなかったのでCapsキーオン時の倍速モードが分からず戸惑ったものの最後までプレイし無事クリアできた。 こうして長年の悲願を達成したのであった。勝手に移植は良いことではないけどちゃんとユーザーの希望を叶えてくれないメーカーにも…いや、やめておこう。大人の事情もあったかも知れないしね。チャンチャン!